もしも、あなたのペットが外科手術が必要な状況になったらどうしますか?
多くの飼い主さんは、非常に戸惑ったり、ショックを受けると思います。誰もが自分のペットが外科手術を受けなければならなくなるとは思いもしなかったことでしょう。
手術をしないで済めばそれにこした事はありませんが、ある種の病気や怪我では手術をしないと救えない場合がある事も事実です。
手術と聞かされて、皆さんが一番心配される事は、ペットが手術に耐えられるだろうか?という事だと思います。
全てにおいて100%の安全を保障する事は出来ませんが、現在の医療レベル、すなわち安全な麻酔薬の開発や麻酔中の動物の状態を把握する多機能患者監視モニターの導入、スタッフの十分なトレーニング等によって比較的安全に手術が行えるようになっています。
当院では、動物病院ではまだ珍しいセボフルランという吸入麻酔薬や7項目を同時に測定モニタリングできる患者監視モニター、緊急時に対応できる人工呼吸器や緊急カートなどを準備して可能な限りリスクを減らすように努めています。
逆に非常に危機的状況における手術の場合には、あらかじめ十分な説明を行います。
動物の場合、手術を行うためにはほとんどの場合で全身麻酔を行います。ですから手術に危険性がないか?麻酔に十分耐えられるか?を客観的に評価するために術前検査を実施します。
手術前の検査については年齢や全身状態、手術の内容などを考慮して実施します。
全ての動物に全ての検査を行う事はありませんが、できるだけ総合的に状態を把握する事が手術を安全に乗り切る第一歩とも言えます。主な検査としては、身体一般検査、血液一般検査、血液生化学検査、レントゲン検査、超音波検査、尿検査、心電図検査があります。
これらを組み合わせる事で、全身状態をより正確に把握できますし、輸液剤や治療薬物、場合によっては麻酔薬の内容を調節してより安全な麻酔を行う訳です。
皆さんが思われる以上に最近の獣医療の進歩は目覚ましく、麻酔の危険率は低くなってきました。前述のような非常に安全な麻酔薬の利用や、確実な監視下で行われる事で、麻酔事故は非常に稀になっています。しかし、手術において麻酔が最も重要な項目であり、常にその危険性を忘れてはいけません。
そのためには、可能な限り多くの検査結果から総合的に評価判断して、各個体にとってベストな麻酔方法を選択していきます。
ペインコントロールという言葉をご存知ですか?
当院では、人間同様に動物にも痛みを感じにくい治療を心がけています。一昔前は、動物は手術の後も痛がらないなどどといったデマが流れていましたが、最近は痛みの軽減を常に心がけるのが一般的になっています。
手術前から安全な鎮痛剤を使用する事で、ペットの苦痛を少しでも和らげられるようにしています。
ペットが痛い思いをしているのを見るのは、飼い主様にとっても我々にとっても辛いものです。また、苦痛を早期に和らげる事で食欲を回復させ、治療を早める作用もあります。